「氷雪気候」を勉強する⑵ 氷河、白夜、極夜
「氷雪気候」と、氷雪気候に関連する「寒帯」と「永久凍土」についての知識を簡単にまとめてみました。
今回は、「氷雪気候」とともに、以下の説明文中にある下線部③「氷河」、④「白夜」、⑤「極夜」について取り扱います。
氷雪気候
・氷雪気候は、ケッペンの気候区分上の①寒帯に属している。
・南極やグリーンランドの内陸部、シベリアの極北部、北米大陸の北岸、ヒマラヤやアルプスの高山に分布している。
・樹木の生育を許さない寒帯気候のうちでも特に寒さが厳しく,月の平均気温が一年中 0℃以上にならない。
・②永久凍土という土壌に特徴づけられる。
・一年間を通して氷と雪に閉ざされている。降雪量が降水量を上回りどんどん積雪が増していくことで、その積雪の圧力によって雪が氷となり、③氷河が形成される。
→氷に関する勉強を通して、水(液体)・(個体)・水蒸気(気体)などの物質の三態、三態の間の状態変化について学ぶのもいいね!
→雪の形成メカニズムや雪が地上に及ぼす影響などについて勉強しよう。
→積雪量の地域差とその要因についても勉強しなきゃね。
・南極圏(南緯66度33分以南)付近では④白夜が12月、⑤極夜が6月頃に起こる。北極圏(北緯66度33分以北)付近ではその真逆で、白夜が6月、極夜は12月に起こる。
→南極圏と北極圏のそれぞれを個別に勉強してみよう。極圏に住む人・動物・植物についても。極圏への探検史についての勉強も楽しそうだね。
・雪が降っていなくても頻繁にブリザードが起こる。
・植物が自生せず、人間も居住困難な気候(アネクメーネ)である。
・アネクメーネであるとはいえ、各国の観測基地は設置されている(アメリカのマクマード基地やアムンゼン・スコット基地、ロシアのボストーク基地、日本の昭和基地など)。
・一部の地域には、ホッキョクグマ、ペンギン、アザラシなどの野生動物が生息している。
・近年の地球温暖化により南極や北極の氷床・氷河の融解が加速することで、氷雪気候下で生きる動物の生息環境が変化し、海面上昇が起こることも示されている。
③氷河
・高緯度地方や高山の積雪が次第に厚くなって氷となり、重力によって連続的に流動する(自重によって低い方へ流れたりする)ようになった巨大な氷の塊のこと。
・降ったばかりの新雪(雪の結晶と結晶の間が空気で満たされている)の上にさらなる雪が積もっていき、積雪が厚くなると上からの重みで圧縮され空気が抜けて高密度の固い雪になる。さらに圧縮され密度が高まっていくと、結晶と結晶の間の隙間が消えて空気は気泡として閉じ込められる。こうしてできるのが氷河氷である。
→氷河はタイタニック号沈没事故の一因ともなっているから、タイタニック号と絡めて「氷河」について勉強するのもよい。
→現代の氷河の氷の利用についても調べてみよう!氷河から採取した氷が飲料水として売られているという話も聞いたことがある。
・上記のような新雪から氷河氷への変化を変態と呼び、夏季や日中に積雪の融解を伴う場合には比較的早く進むが、南極のように、気温が低いために積雪の融解が生じない場合には、変態は数百年をかけてゆっくりと進行する。
→積雪の融解が地形や人々に及ぼす影響について勉強してみよう!
・氷河は、その広がりによって大きく氷床(大陸氷河)と山岳氷河に分けられる。
・氷床は面積が100万㎢より広く大陸全体を一面に覆う氷河であり、厚さは3000mを超えるため、山脈や谷などの大きな起伏も氷河の下に隠されてしまうことが多い。南極大陸とグリーンランドだけにあり、南極氷床とグリーンランド氷床だけで地球上の全氷河面積の約96.5%を占めている。
→南極氷床とグリーンランド氷床のそれぞれを個別に勉強してみよう。これらの氷床の大きさを示すために分かりやすい比較対象を探してみよう。
・山岳氷河は、山地の中で雪のたまりやすい谷や凹地に氷河が発達したものであり、急な岩壁は氷河に覆われず、氷河の上にそびえ立っている。
・現在陸上に見られる氷河は,南極氷床,グリーンランド氷床を最大級として,総計1633万 km2に及び、陸地面のほぼ 11%をおおう。
・氷河による活発な浸食(氷食)と運搬と堆積によって、U字谷や氷食谷(フィヨルド)などの氷河地形が形成される。
→浸食という現象についてもっと詳しくなろう!浸食だけでなく「風化」という現象についても。
→世界各地の有名なフィヨルド(例えばノルウェーのフィヨルド)について勉強してみよう。
・アルプス山脈のマッターホルンは、氷食によって形成された尖峰(ホルン)である。
→マッターホルンなど、登山者が多い有名な山について勉強してみよう。登山史についても勉強してみようかな。エベレストやキリマンジャロやアコンカグアなどの各大陸の最高峰についてもまとめてみるのもいいね!
・気候の寒冷化によって氷河が前進・拡大し、北半球に大きな氷床ができた時期が氷期である。
→北半球と南半球の差異という視点を持ってみるのは良い学習になるかも。
・2012年に富山県の立山連峰に氷河が存在していることが確認された(国内初)。2020年時点で富山県と長野県で7つの氷河の存在が確認されている。
→立山連峰について勉強してみよう。立山連峰に属する立山や剱岳についても個別に勉強しよう。
④白夜
・夜になっても太陽が沈まないか、薄明状態が長時間続く現象のこと。ちなみに、薄明状態とは太陽が日の出・日没の際に地平線付近をほぼ平行に動くため、真っ暗にならない状態のこと。
→白夜における人々の生活について知りたくなってきたので調べてみる。
→日付変更線に最も近く、世界一日の出が早いキリバスのカロリン島について調べてみよう。
→日没が赤くなる理由について知りたいなぁ。
・薄明が長くなる夏の期間の高緯度地方では、日没後の薄明の終了と、日の出前の薄明の開始との間が短いか、あるいはほとんどないため、闇夜がほとんどなくなって白夜となる。
・地球の公転面の垂線に対して地軸が約23.4度傾いていることで夏に一日中太陽の方を向くことになる地域があるため、夜になっても太陽がほとんど沈まない白夜の現象が起こる。
→地軸が傾いた理由について調べてみよう。
→太陽について調べてみよう。太陽の形成過程や組成など。太陽系についても勉強しよう。
・北半球では北欧、グリーンランド、ロシア北部、カナダ北部、アメリカのアラスカ州、南半球では南極大陸の大部分で観測できる。
・白夜が起きるのは概ね緯度が66.6度(90度-23.4度)以上の地方、つまり南極圏(南緯66度33分以南)と北極圏(北緯66度33分以北)である。
・南極圏付近では12月、北極圏付近では6月に起こる。
→夏至や冬至について調べよう。
・白夜が起きる期間の長さは緯度により異なり、高緯度になるにつれてその期間は長くなる。
→緯度と経度について調べよう。特に赤道とグリニッジ子午線と、両者の制定の歴史について調べてみる。
・白夜は地平線下18度以下にまで太陽が達しない状態であるとも言える。ちなみに、太陽が地平線下6度までにある間は、照明がなくても普通の活動にそれほどの支障はない。6度から18度までは、しだいに暗くなるが、闇夜という感じにはならない。
・南極の昭和基地では、夏の白夜と冬の極夜は、それぞれ約1か月半も続く。
→昭和基地と日本の南極探検の歴史について調べる。各国の南極基地も調べてみよう。
・「白夜」の読みは本来「はくや」であったが、昭和40年代(1965~1975年)に『知床旅情』が流行したことで歌詞にある「びゃくや」という読み方が世間一般に広まり、「びゃくや」の方が一般的な読み方として定着した。
→「びゃくや」は呉音で「はくや」は漢音だそうだ。知らなかったので、呉音や漢音など「漢字」に関する知識をもっと仕入れたい。
→ヒット曲の歌詞の中に登場する事柄を勉強に活かせるような気がするので、その方策やアイデアを探ってみよう。
⑤極夜
・南極圏や北極圏などの高緯度地帯で、一日中太陽の昇らない状態が続く現象。日中でも薄明か、太陽が沈んだ状態が続く。
・地球の公転面の垂線に対して地軸が約23.4度傾いているため、季節によって一日中太陽の昇らない極夜が南極圏と北極圏で起こる。
→天体の公転と自転について勉強しよう!
・北半球では北欧、グリーンランド、ロシア北部、カナダ北部、アメリカのアラスカ州、南半球では南極大陸の大部分で観測できる。
・極夜が起きるのは概ね緯度が66.6度(90度-23.4度)以上の地方、つまり南極圏(南緯66度33分以南)と北極圏(北緯66度33分以北)である。
・南極圏付近では6月頃に起こり、北極圏付近では12月に起こる。
・極夜が起こる期間の長さは緯度により異なり、高緯度になるにつれてその期間は長くなる。地域によっては約2か月にわたって極夜になる。
・極夜の時期はオーロラが最も綺麗に長く見ることのできる時期とされている。
→オーロラのメカニズムや、人によるオーロラの記録の歴史について調べてみよう。藤原定家(1162~1241)の『明月記』にはオーロラについての記述があるそう。