質問権ってなに?【ニュースでよく耳にするけど】

 近頃のニュースで「質問権」という言葉を耳にすることが多いですね。世界平和統一家庭連合(旧統一教会)が文部科学省による質問権行使についての文書を受け取ったとのことです。

 ということで、今回は「質問権」について少し説明していきたいと思います。

 ※この記事は「質問権」や「宗教法人法」の内容を網羅するものではなく、厳密性よりも分かりやすさに重点を置いたものです。そのため、この法律を詳しく厳密に知りたい方は 宗教法人法 | e-Gov法令検索 をご覧ください。


「質問権」って何?

 「質問権」とは、宗教法人法の規定の一つであり、宗教法人に法令違反が疑われるときに文部科学省や都道府県が運営の実態などについて質問したり報告させたりできるものである。

 ※「宗教法人」とは、都道府県知事か文部科学大臣の認証によって法人になった宗教団体(教義を広め、儀式行事を行い、信者を教化育成することを主たる目的とする団体)のことである。概要 | 文化庁 (bunka.go.jp) にはより詳しい説明があるので、こちらもご覧になってください。


どのような場合に「質問権」を行使されるの?

 宗教法人や宗教法人に属する人が法令違反を繰り返していたり、その被害が重大なものになっていたりする場合に、質問権が行使されるという。

 しかし、質問権が行使されるのは今回が初めてのことである。


「質問権」を行使されたらどうなる?

 質問権を行使された宗教法人が質問に答えなかったり嘘の報告をしたりすると、その宗教法人の代表の役員に10万円以下の罰金が科される。

 また報告や質問の結果、その宗教法人が「著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為をした」と文部科学省などが判断すれば、裁判所に解散命令を請求する可能性があるという。

 ちなみに、もし解散命令が出されて宗教法人でなくなると、その宗教団体は固定資産税の非課税などの税制上の優遇措置を受けられなくなる。


「質問権」を行使するときに行政が注意することって何?

 宗教法人法第78条の2には、文部科学省などは宗教法人の宗教上の特性や慣習を尊重し、信教の自由を妨げないよう努めなければならないことが定められている。


「質問権」はなぜ生まれたの?

 質問権という規定は、オウム真理教による一連の事件(1988年~1995年)を受けた法改正で、1996年(平成8年)に施行された。

 ※オウム真理教とは、麻原彰晃こと松本智津夫が教祖・創始者として設立した宗教団体のことであり、宗教法人を隠れ蓑にしながら武装化を図り、松本サリン事件、地下鉄サリン事件など数々の凶悪事件を引き起こした(オウム真理教の危険性 警視庁 (tokyo.lg.jp) より)。