甲子園の学習アイデア【高松商業高校】

 今回は、全国高校野球選手権大会(甲子園)の準々決勝に勝ち進んだ高松商業高校が所在する香川県高松市について勉強しながら、学習アイデアを探ってみました。また、今回はちょっとした知識・情報も付け加えています。

香川県高松市(高松商業)

・香川県の県庁所在地であり最大の都市である。中核市にも指定されている。

→各都道府県庁所在地について調べてみよう!

・瀬戸内海に面する港町であり、四国の玄関口である。

→瀬戸内海地域の歴史や文化について調べてみよう。

→各国・各地方・各自治体の「玄関口」となっている街について調べよう。

・四国を統轄する国の出先機関のほとんど、多くの大企業の四国支社・支店、四国電力やJR四国といった四国を代表する企業の本社などが置かれているため「支店経済都市」と呼ばれる。

→仙台市や千葉市や福岡市のような「支店経済都市」について勉強しよう。

→江戸時代の支店経済都市として有名なのは、「天下の台所」と呼ばれた大阪である。ただ、大阪はその後徐々に「本店経済都市」に移行した。

→江戸時代には、日本海側の北前船の寄港地である敦賀(福井県)と酒田(山形県)なども支店経済都市としての性格を持っていた。

・高松市は高松都市圏の核都市であり、都市雇用圏人口84万人で四国1位の都市圏を形成している。

→日本の各地方の都市圏について調べてみよう。

・高松市域の西部は香東川の土砂が堆積して出来た扇状地から成っている。東部は春日川や新川によってできた氾濫平野で、その河口部は三角州からなる海岸平野である。

→扇状地と三角州の違いについて考えてみよう。

→土星の衛星「タイタン」や火星にも扇状地が存在するらしい。

→「三角州」は「デルタ」とも呼ばれる。なぜなら、三角州の形がギリシア文字の「Δ」(デルタ)に似ているからである。ちなみに、現在のコロナ禍でよく耳にする「ο」(オミクロン)もギリシア文字である。「α」(アルファ)や「β」(ベータ)などの他のギリシア文字についても調べてみよう。

→ナイル川デルタ(エジプト)やメコンデルタ(ベトナム)や珠江デルタ(中国・香港・マカオ)など有名な三角州について調べてみよう。

→氾濫平野と海岸平野について調べてみよう。

→日本と世界の有名な平野について調べてみよう。

・北東部には、瀬戸内海に突き出た卓状の台地であり、源平合戦の舞台となった屋島がある。

→台地の形成メカニズムについて勉強しよう。

→チベット高原やデカン高原やギアナ高地などの有名な台地についても調べてみよう。北海道の根釧台地についても調べてみよう。

→1185年に源氏と平氏の間で勃発した「屋島の戦い」について調べよう。この戦いの中では、那須与一が海上の扇を射抜いたという有名なエピソードが生まれた。

・瀬戸内型気候区に属し、降水量は少なく、日照時間は長いため、年間を通じて温暖な気候である。

→瀬戸内型気候について勉強しよう。盛夏の降水量が著しく少ないために雨温図上、その部分が大きく凹むということを覚えておこう。

→夏の季節風は四国山地に、冬の季節風は中国山地によってそれぞれ遮られるため、年間を通じて天気や湿度が安定している。

→高松市の対岸にあり、同じく瀬戸内型気候に属していて降水量の少ない岡山市は「晴れの国」をキャッチフレーズにしている。

・冬から春にかけて、中国大陸から黄砂がよく流入する。

→黄砂は中国大陸の内陸部にあるタクラマカン砂漠やゴビ砂漠や黄土高原などの乾燥地帯で、風によって数千mの高度にまで巻き上げられた土壌や鉱物粒子が偏西風に乗って日本に飛来し、大気中に浮遊あるいは降下する現象。タクラマカン砂漠やゴビ砂漠などについて調べてみよう。

→黄砂には「霾」(つちふる)、「春霞」、「蒙古風」とも呼ばれる。

→「黄砂」という言葉は、春の季語である。他に季語となっている言葉について調べてみよう。

・夏は瀬戸内海沿岸特有の「凪」や讃岐山脈越えのフェーン現象などの影響で、しばしば猛暑日や熱帯夜になる。

→「凪」は、海風から陸風、陸風から海風に切り替わるタイミングで風が止んで、波が静まることである。凪のメカニズムについて調べてみよう。

→湿潤な空気が山を越えて反対側に吹き下りたときに、風下側で吹く乾燥した高温の風「フェーン」によって付近の気温が上昇する現象を「フェーン現象」という。フェーン現象の起こりやすい地域について調べてみよう。フェーン現象の事例についても調査してみよう。

→元々、「フェーン」(Föhn)はドイツ語であり、「アルプスを超えて吹き下りてくる暖かくて乾燥した風」のことを指していた。

・日照時間が長いことが塩の生産・発展に役立ち、「塩田王国」と言われた。

→塩は人類史を通して常に重視されてきたものであり、常に政治的・経済的に重要な位置を占めていた。特に、古今東西で重大な争点となってきた「塩の専売」(国が塩の販売を独占すること)について調べてみよう。

 このことについて少し話すと、中国の唐(618~907年)は、塩の密売人である黄巣が起こした「黄巣の乱」によって滅亡したのだが、その背景には塩の専売制によって塩の密売が盛んになったということがある。

 また、インドのマハトマ・ガンディーが実施した「塩の行進」は、大英帝国(イギリス)による塩の専売に対する抗議運動であり、インド独立運動の転換点となった。

→「サラリーマン」(salaryman)の「サラリー(給料)」(salary)の語源である “salarium” というラテン語は、「塩の支給」や「塩代(塩を買うためのお金)」を意味しているそうだ。

 ちなみに、「サラダ」(salad)の語源は「塩」(英語:salt)を意味する “sal” というラテン語であるそうだ。ラテン語が語源となっている現代の言葉を探してみよう。

→現在の「伯方の塩」の元となった伯方島は瀬戸内海に浮かぶ島である。

・降水量が少なく、雨が降ったとしても大きな川が無く雨水がすぐに海へと流れ出てしまうため、数十年単位で大渇水に見舞われる。

→渇水や旱魃など水不足が生じる理由や、渇水は誰にどのような影響をもたらすか?ということについて考えてみよう。

→1964年の「東京大渇水」(「東京オリンピック渇水」「東京砂漠」)や、1994年の「平成6年渇水」について調べてみよう。

・旱魃にも多く見舞われてきたため、歴史的に非常に多くのため池が造られ、市内の至る所で大小様々なため池が見られる。

→旱魃は農業や漁業における収穫量減少や害虫問題を引き起こし、飢餓、貧困、戦争、難民、疫病の原因ともなる。旱魃のメカニズムや旱魃が引き起こした事態について調べてみよう。

→旱は「日照り」、魃は「日照りの神」という意味である。

→ため池は、主に農業(灌漑)用水を確保するために貯水・取水するという目的で作った人工の池のことである。

→灌漑とは「外部から農地に人工的に水を引いてくること」であり、古代から灌漑問題は治水問題とともに常に人類を悩ませてきた。灌漑の歴史について調べてみよう。

・香川県高松市と岡山県岡山市は相互交流が盛んである。1988年の瀬戸大橋の開通以降はマリンライナーにより岡山駅と高松駅が1時間弱で結ばれたこともあり、相互交流がより密になっている。

→瀬戸大橋は、本州四国連絡橋を構成し、本州の岡山県倉敷市と四国の香川県坂出市を結ぶ橋である。瀬戸大橋についてもっと調べてみよう。瀬戸大橋だけでなく、本州四国連絡橋を構成する「明石海峡大橋」と「しまなみ海道」についても調べてみよう。

・平野部が多く、平坦な道が多いため「自転車王国」といわれるほど自転車が多い。

→自転車の歴史について調べてみよう。

→オランダが「自転車大国」である理由を考えてみよう。

・市内にある女木島の愛称は「鬼ヶ島」である。

→女木島の隣には「男木島」もある。

→女木島にはモアイ像がある。モアイ像とイースター島について調べてみよう。

→『桃太郎』について調べてみよう。他の昔話について勉強するのも面白そう!