意外な区切りの言葉③

 今回は「プエルトリコ」「キリマンジャロ」「スリジャヤワルダナプラコッテ」という3つの言葉の区切りについて説明してみます。

プエルトリコは「プエルト・リコ」

 プエルトリコは、アメリカ合衆国の海外領土・自治領である。野球の強豪であるため、日本での知名度は高いだろう。

 プエルトリコは “Puerto Rico” と表記するので、区切りは「プエルト・リコ」となる。スペイン語で “Puerto” は「港」、”Rico” は「美しい」「豊かな」という意味であり、”Puerto Rico” で「美しい港」「豊かな港」という意味になる。

 キリスト教世界の白人で初めてアメリカ大陸(新大陸)の海域に到達したクリストファー・コロンブスが、後に「プエルト・リコ」となる島に入港したときに “¡Qué Puerto Rico!” (なんて美しい港なんだ!)と言ったことに由来するという。

キリマンジャロは「キリマ・ンジャロ」

 キリマンジャロ(Kilimanjaro)はタンザニア北東部にある山であり、標高は5895mである。アフリカ大陸最高峰である。独立峰(山脈に属さない山)としては世界最高峰であるという見方もある。

 キリマンジャロコーヒーが有名であるので、日本でも知っている方は多いと思います。

 語源には諸説あるが一説には、スワヒリ語で「キリマ」(kilima)は「山」、チャガ語で「ンジャロ」(njaro)は「白さ」「輝き」をそれぞれ意味し、「キリマンジャロ」(kilimanjaro)で「白く輝く山」を意味するという。そのため区切りは「キリマ・ンジャロ」となる。

 ちなみに、スワヒリ語はアフリカ東部で広く話されている言語であり、チャガ語はキリマンジャロの山麓に居住するチャガ族の言語である。

スリジャヤワルダナプラコッテは「スリ・ジャヤワルダナプラ・コッテ」

 スリジャヤワルダナプラコッテはスリランカの首都である。1985年にコロンボにかわって新たに首都となった街である。長い地名の代表格であるため聞いたことがある人は多いだろう。

 スリジャヤワルダナプラコッテは英語で “Sri Jayawardenepura Kotte” と表記し、「スリ」が「聖なる」、「ジャヤワルダナ」が「勝利をもたらす」、「プラ」が「都市」をそれぞれ意味し、「コッテ」が元々の街の名前である。つまり区切りは「スリ・ジャヤワルダナプラ・コッテ」となり「聖なる勝利をもたらす都市コッテ」という意味になる。

 「ジャヤワルダナ」という名は、古都コッテのかつての名前でもあり、さらに、コロンボからの遷都を決めたスリランカ第2代大統領ジュニウス・リチャード・ジャヤワルダナの姓でもある。