『となりのトトロ』の学習アイデア

・英語の題名は “My neighbor Totoro” である。

→ “neighbor” は「隣人」や「近所の人」を意味する英単語である。

→日本のアニメや映画の英題について調べてみよう。

・同時上映は『火垂るの墓』。

→舞台は、終戦前後の兵庫県神戸市と西宮市。

→戦時中と戦後の社会における戦災孤児をテーマにした作品である。

 日本と世界の戦災孤児について調べてみよう。

→Twitterなどネット上では、大喜利的に「節子、それ○○やない、□□や」というフレーズが見られる。これは、「節子、何舐めとるんや。これおはじきやろ。ドロップちゃうやんか」という清太の台詞に由来する。

→作中に登場する「サクマ式ドロップス」(1908年~)は、これを機に再注目された。

 飴やドロップの歴史・種類について調べてみよう。

 作中で清太は節子に、空っぽになったサクマ式ドロップスの缶の中に水を入れて甘い水を作ってあげます。ちなみに塾長はサクマ式ドロップスを常備していて、飴を完食するといつも、空っぽになった缶に水を入れて飲んでいます。味が薄いので特段美味しいわけではないのですが、『火垂るの墓』を思い出しながら飲んでいます。飴のかけらを缶の中に残しておくと甘みが増すので、是非試してみてください!

・サツキとメイはどちらも「5月」

→「サツキ」は漢字で「皐月」や「五月」と書ける。「皐月」は「五月」の別名である。

 「メイ」は英語で “May” と書ける。”May” は「5月」という意味である。

・オート三輪

→三輪(タイヤは前に1個、後ろに2個)の貨物自動車である三輪トラックを指す言葉であり、日本では第一次世界大戦後に登場し、1930年代~1950年代に人気を博したが、四輪トラックの登場によって衰退した。

→『三丁目の夕日』や『こちら葛飾区亀有公園前派出所』、『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』にも登場する。

→『となりのトトロ』の作中では、引っ越してくるシーンでサツキとメイが、多くの家財道具とともにオート三輪の荷台に乗っている。サツキたちがメイを捜索するシーンでも、オート三輪に乗ったアベック(カップル)がサツキにぶつかりそうになり、その後にサツキの質問に答えている。

→昔に乗られていた乗り物について調べてみよう。

・ススワタリ

→ススワタリの「すす(煤)」とは、物が燃えるときに煙とともに出る黒い炭素の微粒子、または、建物の梁の上や天井や煙突に付着している埃のことである。

 室内でロウソクや囲炉裏、暖炉を日常的に使っていると、すす(煤)が溜まる。

 書に用いる墨の原料は、炭素を主成分とする煤(すす)と、牛や豚などの動物の骨・皮のコラーゲンから取り出した膠(にかわ)である。

 すすが付いて黒っぽくなることを「すすける」と言う。また、古くなって汚れた色になることも「すすける」と言える。

→作中では「まっくろくろすけ」とも呼ばれる。

→ススワタリの「ワリャッ!」という声は、アフリカに住むピグミーの声をサンプリングしたものであるという。

 ピグミーとは、成人男子の平均身長が150㎝以下の民族の総称である。中央アフリカの赤道付近の熱帯雨林に住む部族が有名である。狩猟と採集によって暮らしている。「世界最古の人類」と呼ばれることもあるそう。

 ピグミーについて調べてみよう!

→ススワタリは『千と千尋の神隠し』にも登場するが、彼らは、『となりのトトロ』のススワタリと違って手足がある。彼らは、ボイラー室の釜爺(かまじい)の下で、その手足を使って石炭を持ち運ぶという労働に従事している。彼らの報酬(エサ)は金平糖である。

→ボイラーとは何か?ということについて調べてみよう。

→金平糖の歴史などについて調べてみよう。

 キリスト教・イエズス会の宣教師ルイス・フロイス(『日本史』を著したことで有名)は、1569年に京都の二条城で織田信長に謁見した際にフラスコ(ガラス瓶)に入った金平糖を献上したという。

・小学校の田植え休み

→現在のように農作業の機械化が進んでおらず、農作業が、牛や馬などの動物の力と人力に頼っていた時代には、家族総出で田植えをしていた。

→稲作について勉強してみよう。

・トトロの巣穴には縄文土器が置いてあり、草壁タツオ(サツキとメイの父)の部屋にも縄文土器らしき絵(写真?)が飾られている。

→長生きしているトトロは縄文人から縄文土器を貰ったらしい。

→タツオは「縄文時代に農耕があった」という仮説を立証しようとしているらしい。

→縄文土器は、縄文時代(約1万6000年前~約2400年前(紀元前5世紀)に作られた土器である。土器の面に施された縄目の文様からその名がとられた。

→縄文土器や縄文時代の暮らし方について調べてみよう。

・2005年開催の「愛・地球博」では、「草壁家」が『サツキとメイの家』として再現された。現在も愛・地球博記念公園にある。

→日本国際博覧会、通称「愛・地球博」「愛知万博」は、1970年の「大阪万博」以来2回目の日本開催となった国際博覧会(EXPO)である。ちなみに、”EXPO” (エキスポ)は、英語で「博覧会」を意味する “exposition” の略語である。

→テーマは「自然の叡智」であり、サブテーマは「宇宙、生命と情報(Nature’s Matrix)」「人生の “わざ” と知恵(Art of Life)」「循環型社会(Development for Eco-Communities)」である。

 特に、「循環型社会」はSDGsとの関連で最近よく聞く言葉ですよね。ということで、循環型社会について調べて、どのようにしたらそのような社会を実現できるか考えてみよう!

・大分県佐伯市の轟(ととろ)地区には、「ととろ」というバス停がある。

→大分県佐伯市の「佐伯」の読み方は「さえき」ではなく「さいき」である。間違えないようにしよう!

→佐伯市は豊後水道に面し、リアス式海岸地帯が広がっている。

 リアス(式)海岸とは、陸地の一部が地殻変動によって海面下に沈んだことでできた、複雑に入り組んだ海岸線と、海に面した急峻な崖に特徴付けられる海岸地形である。「リアス」の名は、スペイン北西部のガリシア地方で多く見られる入り江に由来し、ガリシア語で「入り江」を意味する単語であるリア(ría)、もしくは、入り江の多い地方の名前を元に命名したという。

→日本で他にリアス(式)海岸のある地域について調べてみよう。三陸海岸や志摩半島、若狭湾など。

・山形県鮭川村には「小杉の大杉」というトトロにそっくりな形の杉がある。

→鮭川村は全国でも有数のきのこ生産量を誇り、「きのこ王国」とも称されているという。

→きのこがどのような存在であるのか調べてみよう。きのこの産地についても調べてみよう。

・草壁家の引っ越しの場面で「狭山茶」の張り紙をした箱が登場する。

→狭山茶は、静岡茶と宇治茶に並んで「日本三大茶」の一つである。「色は静岡、香りは宇治よ、味は狭山でとどめさす」と謳われている。

→「日本三大茶」について調べてみよう。なぜ静岡、宇治、狭山が有名な茶の産地となったか?ということについて考えてみよう。

→茶の歴史について調べてみよう。「茶の世界史」というテーマは面白そうだなぁ。